商標登録と化粧品業界について

季節が変わるごとに新製品が続々と発売される化粧品の商標登録は人気があります。
ここでは、商標登録と化粧品業界について紹介します。

化粧品会社では、化粧品の名前などの商標登録の審査に6カ月程度かかることを考慮して、化粧品を発売する前に商標登録の出願を完了しておきます。

また、消費者に好まれそうな化粧品の名前をいくつか先行して商標登録します。
これをストック商標と呼びます。

化粧品は流行品なので、全ての化粧品が長期的に市場で取引され続ける訳ではないため、企業は市場の動向を見極め、販売予定の化粧品に対してストック商標を使い分け、消費者の購買意欲を促します。

ブランドが重要視される化粧品業界では、主に商品を売る店舗などの看板、商品、商品のパッケージ、包装、下げ袋、広告媒体、ノベルティ、伝票、取引書類などを区別できるように商標を使うことが多いです。

ただ、化粧品を入れる容器の形状については、特許庁に商標登録を出願してもほとんどの場合、識別性なしとされ拒絶されています。

なぜなら、化粧品を入れる容器の多くには文字商標が付けられるので、化粧品を入れる容器の形状自体が他の商品と識別する機能はないとされているからです。

一方、薬局などで売られている化粧品のマークとエステサロンのマークは、商品や役務（サービス）を識別するための標識であるという意味では同じですが、化粧品のマークは、トレードマーク（商品商標）で、エステサロンのマークは、エステティックの役務（サービス）に使うサービスマークとなり、区別されています。

化粧品や美容業界に関連する区分：商品・役務(サービス)には、3類：洗浄剤及び化粧品、21類：化粧用具、41類：教育、42類：化科学技術または産業に関する調査研究、44類:美容があります。

化粧品やエステといった美容業界で、識別力がない商標（商品・サービスの普通名称）で挙げられるのは、「化粧品」に対しては、化粧品、foundation（ファンデーション）、COSMETICS（コスメティックス）、SOAPで、「美容」に対しては、エステティックです。

また、商品及び役務（サービス）の品質や内容をそのまま説明する形容詞についても、識別力がない商標として挙げられ、「化粧品」に対して、コラーゲンをはじめ、NATURAL、MILD、ESSENCE、KIDS、BEAUTY、white／ホワイト、スーパーカラー、ナチュラルフィット、ヘアエステがあります。

長期的な購入となる化粧品分野では、似通った商標が乱立しているため、特性として類似品をすぐに販売してくる傾向にあり、商標登録の審査でも、商標同士が類似とされたり、識別性がないとされることが多いのです。