シンガポール共和国

シンガポールの一人当たりGDPは50,000ドルを超えており、
日本を上回っています。シンガポールの経済は、ASEAN諸国の中でも依然好調です。アジアの金融センター、貿易の拠点、グローバル企業の本社所在地として発展しています。
シンガポールは、他のASEAN諸国と比較して、最も模倣品流通率の低い地域です。主として国境における効率的な取締活動と権利侵害の申し立てへの迅速な対応による成果です。例えば、海賊版ソフトウエア(著作権侵害)は、罰金や刑罰の対象となることから、著しく抑制されています。
シンガポールの模倣品は、主も中国、マレーシア、タイから流入しています。ベトナム、インドネシアからの模倣品も報告されています。ほとんどの模倣品は海上ルートで運び込まれますが、マレー半島からトラックによって持ち込まれているものも多いようです。

特許・実用新案

シンガポールは、ASEAN諸国の中で、最も知的財産制度が整備されています。特許は、年間で約3万件の出願数があります。
特許の実体審査には、シンガポール特許庁での実体審査を請求する場合と、PCTのサーチレポ
ートや外国での調査結果を用いた実体審査を請求する場合があります。
既に調査結果がある場合は、調査結果を利用した審査を請求することで、調査費用を安くする
ことができます。
シンガポールには、実用新案の保護制度は存在しません。

意匠・商標

シンガポールでは、意匠は方式審査のみを経て登録されます。意匠権の存続期間は、出願日か
ら5年ですが、2度の延長申請(各5年ずつ)によって最長で15年間有効に存続することができ
ます。
商標は、日本の商標とほぼ同一の制度内容です。 シンガポールは、ASEAN諸国の中心であるため、ASEAN諸国に参入・進出する際には、シンガポールで商標出願をすることも検討すべきです。

権利行使

シンガポールでは、権利侵害の申し立てへの対応が迅速に行われます。