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インドネシアは、人口2.5億人(世界第4位)であり、大きな
市場を抱えています。インドネシア市場は、二桁の成長率を遂
げており、2050年までにGDPが世界4位まで浮上する可能性
があると言われています。
インドネシアでは、日本製品(特に、家電・生活用品・飲食
品・衣類)への高い信頼感があり、日本に対する好感度も非常
に高いので、日本企業にとって参入・進出のチャンスが高い言えます。
一方、インドネシアにおける模倣品は、飲料、煙草、皮製品、靴、殺虫剤、医薬品、化粧品、
潤滑油、ランプ、ポン プ、事務用品、電機製品、自動車部品など多岐に渡っています。これら
の模倣品は、ほとんどが中国から流入したものだと言われています。
模倣品には、外観や商標をそのままコピーしたものの他、若干の変更を加えて侵害を回避しよ
うとしたものも増えています。さらに、模倣品をノーブランドの状態で輸入して、市場に出回
る直前に商標を付ける場合も少なくないようです。
インドネシアには、特許と実用新案(小特許)があります。
特許は、日本の特許とほぼ同一の制度内容になっています。実用新案は、産業上利用性と新規
性についてのみ審査され、進歩性については審査されない。特許と実用新案を同日出願するこ
とはできません。
インドネシアでは、法律が整備されていても、適切に運用されているとは言い難い面がありま
す。 例えば、公報を検索できるWebサイトは存在するものの、情報精度が低く、公開されない
公報も多数存在しているようです。
また、特許・実用新案の審査は、待っているだけでは一向に進みません。インドネシアでは、
日本などの先進国が行った審査情報を参考する場合が一般的であり、日本からの出願には独自
に審査されたものが殆どないようです。
出願人は、他国の審査情報を自発的に提出義務はありませんが、審査を進めるために、積極的
に他国の審査情報を提供すべきです。日本などで特許になっていれば、インドネシアでもその
まま特許になる場合が殆どです。
なお、特許・実用新案の維持費用が累進的に高額になるので、注意が必要です。
インドネシアの意匠は、工業意匠と呼ばれています。自国民の出願が7割を占めています。
インドネシアの意匠は、先行意匠との類似性の判断が非常に主観的であるという問題がありま
す。つまり、審査官の判断に大きなばらつきがあり、権利化後においても法執行官(判事・警
察)などの判断は安定していません。
もっとも、日本製品の外観をそのままコピーした模倣品も数多く存在しますので、意匠の利用価値はまだまだ高いと考えます。
商標は、日本の商標とほぼ同一の制度内容です。 インドネシアにおいても、冒認商標の問題が
顕著になってきています。日本企業に関するさまざまな商標やロゴマークが、他人によって登
録されています。
したがって、インドネシア市場に参入・進出する前に、必ずインドネシアへの商標出願を済ま
せておくことが鉄則になっています。
既に商標が冒認されている場合には、商標権の取消裁判を提起したり、商標を買い取ったりす
る措置を講ずる必要があります。
インドネシアにおける知的財産権の行使は、刑事的手段による場合がほとんどです。つまり、
警察取締や刑事裁判が利用されています。警察に訴えて、模倣を停止させ、侵害品を廃棄させ
るのが一般的です。
警察への被害届を適切に行えば、模倣品の廃棄などが円滑に行われます。
商標権の権利行使では、模倣品業者に謝罪広告を行わせることも有効です。
民事裁判や税関は、あまり利用されていません。